やたら長いタイトルだし、ちょっと暴力的で奇をてらった感じなんじゃないかと。
そして、その予想はほぼ外れていた。
映画が始まって数十分後には涙腺が決壊して、ただただ涙が止まらなかった。感動しっぱなし。
今まで観た映画で、泣ける映画をあげるとしたら、リトルダンサーとフラガールなのだけど、どちらも印象的な泣けるシーンが一箇所あるだけで、全編通して泣けるというわけじゃない。
どこかで感動的なクライマックスがあって、そこで涙する。基本映画ってそうだと思う。
でも、この映画は違う。
まあ泣かす泣かす。とにかく泣かせる。
今まで観た映画で一番泣いた。圧倒的に泣いた。
そして不思議なのが、観終わったらスッキリすると同時に、泣き過ぎて疲弊するという、かつてない映画体験となった。
あと、やっぱり良い作品に必要なのは、食事のシーンだ。
料理や食事のシーンに重きを置いている作品は信用できる。
近年その傾向が著しいのは沖田修一監督だったり、是枝裕和監督だったりするのだけど、中野監督も上手い。
しかも、そのシーンを伏線とする新しいタイプの見せ方だった。
素晴らしいと思う。
あとは、言わずもがな粒揃いなキャスト達。
宮沢りえとオダギリジョーと松坂桃李しか存じ上げなかったのだけど、誰一人としてミスキャストがなかった。
杉咲花ちゃんと伊東蒼ちゃんはとんでもない逸材じゃないか。今後の展開が楽しみ。
駿河太郎さんもいいな、と思っていたら、鶴瓶の息子なのだった。全然面影がなくて、教えてもらわないと永遠に赤の他人だった。
この映画で苦言を呈するなら、笑えるシーンがほのぼのするだけで、そこまで笑えなかったこと。きっとそこまで笑いは狙ってなくて、ユーモアはちょっとしたスパイス程度だったのだと思っている。きっとそうに違いない。
もっと踏み込んだ感想を書きたいのだけど、上映前だしもう一回観たら、全然印象が変わるかもしれないのでこれくらいにしておく。
ただ、現時点では今年ベスト。
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